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伽羅の香り [Papa]

これまでの間、暖かいお言葉のメールをたくさんいただきました。
ありがとうございました。
また読んでくださったみなさま、いつもありがとうございます。
楽しいお話とは言えないけれども、何かを感じていただけたら
それは私にとって、うれしいことです。
(それなら、きっとパパも喜ぶはずだ)



パパが亡くなったと連絡をもらってからというもの、
葬儀が終わったその帰り道でも
妹は思い出すたびに「許せない」と涙した。

親の死に目に会えないなんて、そんな不幸なことある?

確かにそうだ。
事故死だったわけではないし、
年末から危なかったというし、
現に奥さんの妹は駆けつけていたのだから。
あちらから連絡をするつもりがなかっただけなのだ。

この三年間の親不孝を詫びれば、
パパだって気まずいだろう、と私は思う。
実は、私は最後を見送ることが出来ただけでも、
驚き、感謝しているのだ。
もう二度と連絡は来ないと思っていたから。
この環境をとうにあきらめていたんだろうし、
相手をもう信じていなかったとも言える。
だから最後を周りに説得されて電話をして来たこと、
それだけでも、その説得してくれた彼女の妹に感謝しようではないか。

妹はそれでも、泣き続けた。
自分から行かなかったことを今度は悔やんで。

それなら私も同罪だ。
でも、それはもういくら泣いても、過ぎてしまったこと。
どうにも出来ない。

あんたは後悔しない性格だからよかったね。
私は死ぬまで後悔する。

妹が私に向かって言った。

後悔しない?
無理にでも会いに行けばよかった。
何度でも電話すればよかった。
私だって思わなくはない。
でも、もうどうしようもないじゃん。
今どうにかしようとしたって、すんじゃったこと。
どうにも出来ないじゃん。
それにね、本当は、パパだって会いたかっただろうと思う。
奥さんだって「会わせてあげたい」という気持ちも
少しぐらいはあったのかもしれない。
もっと早く会わせてあげればよかった、
と最後には奥さんだって泣きながら言ってたじゃん。
でも誰もそう出来なかった。
きっとパパも言えなかった。
それを言い出せば、みんながそれは悲しいんだよ。
パパはそれを望まない。
今、パパは、
お前達もう泣くな!馬鹿だな〜って笑ってると思うよ。
全てのしがらみからも、不自由な肉体からも離れて
私たちに会いたいとパパが思うなら、
すぐに私たちのところに来られるんだから、
パパのためには、もう悲しまなくっていいの。

そう言った時、とてもよい香りの風が、
閉ざされた車の中で吹いた。
あ、ほら!パパだ!
それは、伽羅の香りだった。

妹は、
私にはそんなのわからないもん。
見えないし、聞こえないし、全然わかんないの!
と涙ながらに怒って言った。

そして、また同じように二人の会話は続いた。

やっぱりこんな不幸なこと信じられない。

そう言って、妹は車を降りドアをしめた。
歩き出したかと思うと、急に立ち止まり興奮して言った。

今、伽羅の香りがした!
風がくるくるって私の周りに吹いたの。
南海ちゃんわかった??

その時は、私にはわからなかったけど、
パパは、もう悲しまないでいいよ、って
知らせたに来たんだよね。


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明るい話題ではないけれども、
楽しんで読んでいただければ幸いです。
これでパパのアセンションの暗い部分のお話は終わりです。
これからも、面白いパパのエピソードを思い出したら
いつでも書き綴りたいと思います。
いつもありがとうございます。











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コメント 2

elegant

心よりご冥福をお祈りしています。
by elegant (2011-01-19 21:06) 

happy-nami

elegantさま

いつもありがとうございます。

by happy-nami (2011-01-19 21:58) 

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